13.餅干し岩〔通称 山賊岩)

大山峠の麓に「餅干し岩」がある。昔、追剥(山賊)がこの付近に巣くっていて、村の家から搗きたての餅を盗んできてはこの岩の上で干したからこの名がある。餅干し岩はこの大岩を割って商売の道具に使おうと岩を割った不届きなものがおり今は残念ながら二つに割れて往時の姿が見えない。地元の古老は、山陽鉄道が工事を始めたときバラスにするために割ってみたがバラスに適さず利用されないまま放置された。この岩の近くに弥仙谷川がありその中ほどに「から臼」という岩があるとのこと。これは追剥が盗んだ玄米を白米にする石臼である。昔は臼之事を「カラス」と云った=唐臼